パルト エベル

image (87)パルト エベル

庶民からセレブまで シーフード専門店

 

Parrt Ebelle Tinola SM(シューマート)の前SunGoldの脇を入る Map P32-B2
【Open】 9am-7pm(Mon-Sat) 9am-12pm(Sun) 0919-258-3512 (JOYさん)


 

 えーと、最初にお断りしておきます。この店は、他に形容する適当な言葉が見つからなかったので便宜上『シーフード』という言葉を使ってますが、一般的な日本人が『シーフードレストラン』と聞いて思い浮かべるものとは全くの別物です。

『シーフードレストラン』を念頭に置いてこの店を探したなら、おそらくあなたはこの店の目の前に立っていたとしてもどこに店があるのかわからないでしょう。(写真上を参照してお店を訪ねてくださいね。)まあそんな店ですんで、どうかなあ、フィリピン初めての人とかには間違ってもお勧めはしませんし、店の雰囲気を良くするためにお金をかけるというアイデアは大変潔く却下されているのでその点でもこのお店を気にいる日本人というのは少ないかもしれません。お店の前まで行って、店に入るのを躊躇しないですむには、それなりの海外経験値とある程度の無謀が必要になるのではないかと。
まあそれを理解していただいた上でお話を進めますが、別にこの店が汚いとか、危険だというわけではありません。魚の新鮮にかけてはおそらくセブのレストランの中でも相当上のほうだと思いますよ。なんせ朝から晩までひっきりなしにお客が来まくってますから。その食材の回転の良さは疑いようがありません。私もすでに3回行って、毎回焼き魚キニラウ(生の魚のぶつ切りを酢と唐辛子、生姜などで和えたフィリピン料理)を頼んでいますが、おなかの調子が悪くなったことはありませんしね。ちなみに自慢になりもしませんが、わたしゃ胃腸は普通の日本人の中でも弱いほうです。お客さんの層を見ても、かなり幅広いです。その店構えからは想像できないかも知れませんが、きちんとした身なりのお金持ちっぽいお客さんも結構来てます。実際4人で色々とって食べれば一人頭200ペソくらいはしますんで、実のところ本物の『庶民』レベルの値段ではないんですよね。実際にここを紹介してくれたのもお金持ちのお坊ちゃんでしたし。まあそうでなければ行くこともなかったでしょうけど。 
で、ここで何が食えるのかと申しますと、まず店の前で焼いてる魚。色々焼いてますがブルーマーリン(カジキ)が脂がのっててお勧めです。テーブルに置いてあるお酢と醤油をつけて食べましょう。あとは、まあここの看板料理でもあるはずの魚のスープ『ティノラ』ですが、まあこれはどこで食っても同じような気がしますね。

日本の潮汁に似た感じの透明なスープですが、鰹と昆布の出汁に慣れた日本人にとってはちょっとなんか物足りないような。妙に魚の味が強いような。キニラウは個人的に好きなのでいつも頼みますが、ここは少し変わってて、お酢自分で掛けまわして作るんですね。普通のフィリピン料理店ではすでに浸かったものが出てくるんですが。なんだかちょっと不安なのでお酢の力を借りてよ~く殺菌したいというはどぶどぶとお酢に漬けてしばらく待ってもいいかもしれません。気休め程度にはなるでしょう。

あと、普通はキニラウにはタンギーギ(サワラ)かブルーマーリンを使うことが多いのですが、ここは今まで3回とも私の知らない魚が使われていました。魚によっては少し癖があります。でもどんな魚のキニラウが出てくるのか運次第ですかね。

日本の観光客の人なんかが『地元の人が行くレストランに行って、地元の人と同じものを食べてみたい』っていうのをよく聞くんですが、フィリピンはなかなか衛生面での問題やら何やらでちょっとそういう店がお勧めしにくいんですよね。でもまあここなら、シューマート(SM)のすぐそばだからアクセスもいいし、実際にローカルで賑わってるし、それなりに地元の人々に溶け込んだ気分を味わえないこともないかもしれませんね。普通のフィリピン料理に飽きた方、セブ通を気取ってみたい方、たまにはこういう飯もいいかもしれませんよ。                      @B級グルメ

2009年11-12月号 掲載

庶民?それともセレブな人達で賑わう店内 キニラウ 店先で焼かれる新鮮な魚類